【実績・改善事例2】管理者が部下の対応ストレスで「うつ」に。小売業F社の事例。

企業の情報・依頼の概要
小売業。従業員70名。
管理者が「うつ」になり休職となった。今後どのように対応したらよいか助言が欲しい。

対策・実施内容

面談でストレスの原因をヒアリング

休職中ではあったが本人と面談を行いました。すると、「特定の部下に対する対応がストレス」となっていることがわかりました。

その部下は、顧客とのトラブルが多く、そのクレーム対応と部下への指導に忙殺されていたことが大きな原因になっていると判断しました。

部下は頑張ろうという姿勢はあるものの、何度注意しても教えたたことができなかったり、重要な情報をメモに取らずに忘れてしまったりといった、ケアレスミスが目立っていました。

「第3者の立場」で組織横断的に問題点を洗いだし

その部下は、配置転換前にも同様のトラブルを起こしていましたが、配置転換の際にトラブルに関する引き継ぎが無かったこともわかりました。

産業医として、第3者の立場から「組織の連携」や「仕組み」について問題点を洗い出しました。

医師の視点で、問題のある部下と面談

管理者とのヒアリングに加えて、その部下とも面談を行いました。
部下については面談の結果から「発達障害が強く疑われた」ため、クリニック受診を勧めました。

本人も仕事が上手くいかないことについて以前から悩んでおり、受診後に発達障害と診断がついたことで自分自身も納得がいった様子でした。

管理者と再度面談

再度、管理者と面談して状況を説明しました。

その管理者は「自分の指導力不足」と考え思い悩んでいた様子でしたが、自分の力量問題でないことが判明し安心していました。

短期間の休職で職場復帰となり、部下については、配置換えで「適性にあった仕事」を受け持ってもらう形となりました。

投稿者プロフィール

林 恭弘
林 恭弘
1992年和歌山県立医科大学卒業。脳神経外科,一般外科を経て、訪問診療クリニックの院長に就任。 職員の採用や研修、休職・退職問題などに関わる中で労務管理の重要性を認識し産業医活動を開始した。 一般社団法人全国産業保険機構代表理事。 企業人事部向けに「メンタルヘルス対策」や「うつ」「発達障害」についての講演も行っている。 またテレビ朝日系医療ドラマ「DOCTORS」シリーズを始めとする各種テレビ番組の医療監修・指導、出版物や企業のパンフレットなどの監修も行っている。

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