産業医選びで失敗しがちな「あるある!」3つのポイント

産業医選びで失敗しがちな「あるある!」3つのポイント

初めての産業医選び。でもどうやって選べばいいのかがよくわからない。そこで「産業医選びでありがちな失敗」の3つのポイントをまとめてみました。

1.「このくらいなら頼んでみるか…」と金額で決めてしまう

最もよくある失敗です。
安いには安いなりの理由があります。最低限行って欲しい毎月の職場巡視にさえ来ない、いわゆる「名義貸し」産業医がまだまだ横行しています。

毎月の報酬が安いのは確かに会社経営的には助かるかもしれませんが、労基の立入検査が入ったら一発でアウトです。職場巡視を行っていないことや安全衛生委員会に参加していないことなど、調べればすぐにばれてしまいます。これでは産業医と契約する意味がありません。

一方、毎月の報酬が高ければ良いというわけでもありません。会社にとって不必要なサービスが盛り込まれて高額な契約になっていたりすることもあります。本当に必要なサービスかどうか、良く考えてから契約する必要があります。

2.肩書は立派だけど「やる気」のない産業医を引き当ててしまう

産業医といっても様々です。「産業医の仕事が好きでメンタルヘルス対策にも積極的に取り組んでいる」という産業医もいれば、「とりあえず顔だけ出してお金がもらえるのであればありがたい」と考えている産業医もいます。

産業医歴や肩書き等を重視しがちになりますが、一番大切なのは「やる気」です。「やる気」がある産業医は会社の悩みに真摯に取り組み一緒に問題を解決しようとしてくれます。

逆に、どんなに立派な経歴があっても、「やる気」がない産業医にあたると悲惨です。社員の復職面談を断られるなどいい加減な対応をされて結果として社員から訴訟を起こされてしまう羽目になるというリスクもあります。

3.会社のカラー(社風)に合わない!

産業医選び、最後のポイントは会社とのマッチングです。
金額が妥当で、やる気があったとしても会社のカラーに合わない産業医を選んでしまうとお互いに不幸です。

それぞれの会社には経営方針だけではなく、業種や立地条件、社員構成などによって独自の社風があります。

社員を採用する際に社風に合うかどうかを考えるのと同様、産業医を選ぶ際にも社風にマッチするかどうか考えておく必要があります。

真面目できっちりとした産業医が良いのか、やさしく穏やかな産業医が良いのか、年配の産業医が良いのか、など色々な選択肢があります。

女性が多い職場なのでという理由で女性の産業医を選んでも、意外とサバサバとした口調のきつい女性医師で、社員から不評が出たりすることもあります。

事前の面談では、自分の会社に合うかどうかという視点も持ちながら、産業医と話すようにしてください。

投稿者プロフィール

林 恭弘
林 恭弘
1992年和歌山県立医科大学卒業。脳神経外科,一般外科を経て、訪問診療クリニックの院長に就任。 職員の採用や研修、休職・退職問題などに関わる中で労務管理の重要性を認識し産業医活動を開始した。 一般社団法人全国産業保険機構代表理事。 企業人事部向けに「メンタルヘルス対策」や「うつ」「発達障害」についての講演も行っている。 またテレビ朝日系医療ドラマ「DOCTORS」シリーズを始めとする各種テレビ番組の医療監修・指導、出版物や企業のパンフレットなどの監修も行っている。

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